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アイデアは金になる

○お金が調達しやすくなった

お金に関する情報はいろいろと溢れております。

経済や景気の話、最近では仮装通貨も存在感を増してきており、

それだけ、お金に触れやすい、言い換えれば「稼ぎやすい」「調達しやすい」環境になってきたのかなというのを感じます。

そんな中で、会社として(あるいは個人として、と置き換えても良いですが)「何をやるにつけてもお金に困らない状態」にするにはどうしたらよいか、これを今日は考えてみたいと思います。

○「アイデア」を持とう

これまでそこそこの数の会社さんに出会う中で、お金に好かれる会社とそうでない会社に明確に分類されているとなんとなく感じます。お金に好かれるというのは、毎月利益が出ているとか、銀行や証券会社が非常に好意的な会社を指しており、財務環境が良好なことを意味します。逆に「好かれていない」というのは、毎月口座の残高がわずか、何をやろうにも資金面で苦労し、金融機関との関係も良いわけではない、財務環境が厳しめなことを意味します。

これらの違いを決定づけているものは何か、

それは、その会社で行なっていることに対して具体的な「アイデア」を持っているかどうかじゃないかと思います。

ここでいうアイデアというのは、「自分の会社の取り組みとしてこれまでやってこなかったこと」を意味します。仕事の言葉に置き換えれば、「新規事業」「経営改善」「経営もしくは事業計画」などに通常は盛り込まれます。

(図:アイデア → 新規事業 新サービス 商品  改善 事業計画)

○アイデアに投資する

財務環境がよろしくない会社をイメージしてみましょう。

毎月の経費や借入金の返済で、何とか目の前にある仕事をこなしている、あるいはそれでも不足する場合にはさらに違う先からの資金調達を試みるが金融機関から渋られる、「お金を支払うため」に業務を行なっている感覚があると思います。

劇的に業況が変わらなければ、この状況はきっと来月も続くでしょう。資金繰りをもし追加の借り入れで補填しているようなら、やがて破綻します。

ここで「アイデア」について考えます。

明確な事業に対するアイデアや何かしらの経営計画の沿っていて同じ状況なら、事情が変わってきます。毎月の支払いは、うまくいっていない事業経費の垂れ流しではなく、アイデアを形にするための「投資」であり、毎月苦労して支払っているものは消えてはおらず別の形で「積み上げられている」はずです。きっとそのうち、敏感な投資家や金融機関が目にして、財務環境はたちまち改善するかと思います。

(図: 良いパターン vs 悪いパターン)

お金がない時にこれまでにない「アイデア」なんて考えられない、と思うかもしれません。

まさにそのとおりで、資金的に窮境状態にあると時は精神的にも大きな負担を強いられ、なかなか前向きになれません。しかしながら、何もないところからお金は生まれません。常に何かしらとの「交換」という行為を経てお金を手にします。

何かの材料を調達するときにまずはそのための資金を調達しなければなりませんが、資金を調達するために「アイデア」を生み出すのです。

(図:アイデア → 金 → 原材料)

○アイデアを人に理解してもらう

アイデアを生み出せれば金になるのか?

世の中そんなに簡単ではありません。

何か今までに取り組めていなかったことを具体的に取り組もうとする、これが「アイデア」です。

しかしながら、この段階ではアイデアの持ち主のモチベーションや行動のエネルギーになるだけで、まだお金にはなりません。

上述の通り、お金はそれに対して価値を見出す人との交換です。

ですので、「アイデア」をお金に変えるには、自分以外の誰かにとって価値のあるものに形を変えていく必要があります。これを「事業計画」と呼びます。

「事業計画」とはすなわち、自分の「アイデア」の価値を自分以外のだれかに理解・共有してもらうツールということができます。そしてその有効性を発揮するためには、ある種の「作法」が必要となります。(これについてはまた別の機会に詳しくお話ししたいと思います。)ここでおさえておきたいのは、自分独自の「アイデア」を他人に理解してもらことができて初めてお金に近づくということです。

(図: 「アイデア」 → 「事業計画」 ← 「他人」)

○ビジネスに有効なアイデア

ここまで、お金を集めるにあたってのアイデアの有効性についてざっと見てきました。

本稿の締めとして、ビジネスにとって有効な、つまり、お金を集めやすい「アイデア」について考えてみたいと思います。

自分で考えた「アイデア」つまり「事業計画」でお金を集めるということは、上記でお伝えしたとおり、「事業計画」に価値を見出してもらうということになります。他人から「価値」を見出してもらう計画とするには、次の点について重点を置いて考えてみつ必要があります。

●計画実行の意義やメリット

●計画の実現可能性

外部からの資金調達によって事業を行おうとするとき、とある資金主からお金をだしてもらうことになります。

資金主にはいろんな人がいます。お金を貸すレンダーとなる人、そのアイデアに投資するインベスターとなる人、あるいはそのアイデアがプロダクト化されたものを購入するクライアントとなる人に分類することができます。

そうした資金主について共通して言えるのは、そのアイデアや事業に対して一枚かむことになるということです。

そのときその計画実行からどんなメリットや利益、あるいは意義をもたらすかをよくよく考えておく必要があります。

たとえば、世にはないサービスの実現を支援することで社会的使命を果たすことに意義を感じでもらえるかもしれないし、

資金主の事業に対して何かしらのシナジーを生む可能性を感じてもらえるかもしれない、もしくは、単純にリスク・リターンの交換による金融価値を見出すかもしれない、など、その計画実行によって期待される意義やメリットの目線を資金主との間で合わせておく必要があります。

要は、お金を誰かから借りようとする時、ちゃんと返すことができるロジックを組むだけでは不足するということです。

その事業に対する共同参画者という位置づけで、この事業の意義をどう捉えるか、どこにメリットを感じてもらえばよいかなどをよくよく考えておかなければなりません。

そして、意義やメリットの目線をあわせることができたら、次に考えるのはその計画の実現可能性です。

もちろん、計画を立てる側からすれば、資金が十分にあれば計画通りに実行させられると意気込むと思います。しかし、資金を 出す側は思ったよりも冷静で、いろんな面からその事業計画に対する実現可能性を評価してきます。経営者の人柄や性格、経歴、その事業に対する関連実績、実行に際しての組織や計画の客観性や現有資産の評価などなど、一つ一つを丁寧にくみ上げていく必要があります。

事業計画の立て方については、別の回のコラムで詳しく触れていきたいと思いますが、この段階でまず知っていただきたいのは、

自分が描いたビジネスに対する「アイデア」によってお金を集めるには、資金主(レンダーやインベスター、あるいはクライアント)との意義やメリット、計画の実現可能性の目線を合わせておく必要がある、ということです。こうした点は単に、外部からのお金集めに生きるだけではく、そのアイデアを具現化する事業マネジメント(つまり「経営」)にも必要な要素となりますので、いきなりお金を集めることがなかったとしても、事業を運営する際は考えていただきたい点です。

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